破船

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◆ジャンル【 艦船擬人化企業・組織擬人化歴史・時代もの
◆分類【 思念・思索長文引用感想
◆創作話【 「渺渺録」

『洋上のインテリアⅡ』に「オリエンタリズムへ誘う日本の伝統工芸や意匠をふんだんに付け加えているのが、「現代日本様式」の特徴」とあるけれど、和辻春樹氏は『随筆 船』で「現代日本式は日本の古典様式即ち飛鳥、天平[…]の様式を形の上で取り入れなければならないという訳ではない。また日本で使用する装飾材料を是非使わなければならないというものでもない」「何処ともなしに日本式の流れが室内にも壁の裏にも流れていると我々が感ずるような装飾」を現代日本式という、と言っていて、これは何だろう?

思うに『坂倉準三〈パリ万国博覧会日本館〉』にも掲載がある(そして、たしかデジコレでも読めるはず)「巴里萬國博日本館について」に通じている気もする

建築の一部をそれこそオリエンタリズムに誘う日本工芸にすげ替えても、それはただの「奇形」であって、日本精神の発露と精華ではない、という思考に立つのならば、『洋上のインテリアⅡ』の説明よりも和辻春樹の設計美学のほうが即している感じがあるけど 知識がないので何とも言い難い 悔しい

天洋丸とか、あるいはぶえのすあいれす丸級とかの「現代日本様式」より前の時代の貨客船の日本趣味に絶妙に違和感を感じるのは、この文脈で言う「奇形」だからなのかもしれない

「オリエンタリズムへ誘う日本の伝統工芸や意匠をふんだんに付け加え」ることで日本国家を誇示するのではなくて、「何処ともなしに日本式の流れが室内にも壁の裏にも流れていると我々が感ずるような装飾」に舵を切ったこと、現代日本様式の貨客船の内装を見ているとその印象は受ける