ソウルから来日した旧友は、北九州市におりたって、駅名――八幡――を見あげた時、ちいさな叫びをあげました。その声で反射的に私は思いだしました。それは二十数年まえの感覚であって、八幡・鉄の都・軍需……とつながるなまなましい現実です。植民地にもその名は威圧的につたわっていました。「ここがあのヤハタですね」と彼はいい「韓国では今の若い人もヤハタの名はたいてい知っています」と続けました。 /「北九州労働者風景」森崎和江『ははのくにとの幻想婚』 企業・組織/〃擬人化,引用 2026/02/17
/「北九州労働者風景」森崎和江『ははのくにとの幻想婚』