渺渺記

思念思索・歴史との距離感…など
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「チェルノブイリ原発事故の消火作業の際、放射能を閉じ込めるためにヘリコプターで上空から砂が撒かれました。そのヘリコプターの操縦士の多くは、作業中に放射線を大量に被曝し、癌で死んでいきました。私はその操縦士の一人から話を聞く機会がありました。今際の際に、急いで私を呼び寄せた彼は、こう語ったのです。「私は、自分が目にした多くのことを理解することができなかった。あなたも、おそらく理解することができないだろう。でも、私たちは、これを記録して、次の世代の人たちに伝えていかなければいけない。後世の人たちがもしかしたら理解するかもしれないから」と。

/スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ、小野正嗣「響き渡る「小さな声」の渦」『すばる 2017年3月号』