「チェルノブイリ原発事故の消火作業の際、放射能を閉じ込めるためにヘリコプターで上空から砂が撒かれました。そのヘリコプターの操縦士の多くは、作業中に放射線を大量に被曝し、癌で死んでいきました。私はその操縦士の一人から話を聞く機会がありました。今際の際に、急いで私を呼び寄せた彼は、こう語ったのです。「私は、自分が目にした多くのことを理解することができなかった。あなたも、おそらく理解することができないだろう。でも、私たちは、これを記録して、次の世代の人たちに伝えていかなければいけない。後世の人たちがもしかしたら理解するかもしれないから」と。 /スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ、小野正嗣「響き渡る「小さな声」の渦」『すばる 2017年3月号』 歴史(またそれとの距離)|引用 2026/02/18
/スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ、小野正嗣「響き渡る「小さな声」の渦」『すばる 2017年3月号』