No.17

調べものノート いろいろ覚え書き

従来日本で行われてきた「ノモンハン事件」の研究は、ほとんどが軍事研究であって、双方の出動した軍隊の構成、兵器、兵力、敵に与えた損害、日本側がこうむった損耗、戦争技術の巧拙などが主題であった。しかし、一九九一年、東京で行われた、日本、ソ連、モンゴルの、参戦三か国の代表が参加した「ノモンハン・ハルハ河戦争国際学術シンポジウム」では、モンゴルのゴンボスレン大佐が、「あの戦争は避けることができたかもしれない」という趣旨の報告を行ったのを聞いて、私は深い感銘を受けた。戦争すなわち殺人技術の成果を競い合う研究報告にうんざりしていた私は、戦争を避ける研究なら自分にもできるし、これこそ私がやるべき仕事だと思ったのである。

/『ノモンハン戦争』
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